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服を着るならこんなふうに (1) [コミック]




<帯>
センスも大金も必要なし。おしゃれに大切なのは理論を知ること
ベストセラー「最速でおしゃれに見せる方法」の著者・MB氏によるファッション理論を盛り込んだ史上初のメンズカジュアルファッションコミック!
「服を買いに行く服がない」27歳にも効くロジックが満載


これまたいつもの読書(コミックを読書と呼ぶかどうかは置いておいて)傾向とは大きく外れますが、なんとなく気になって手に取りました。個人的に服を買うのは結構好きなのでこのコミックに興味あった、ということもあります。
ファッション、それも男性向けをテーマにしたコミックって、なかなかないですよね。
好評みたいで、
「服を着るならこんなふうに (2)」 (単行本コミックス)
「服を着るならこんなふうに (3)」 (単行本コミックス)
「服を着るならこんなふうに (4)」 (単行本コミックス)
と順調に続刊が出ているようです。

こういうハウツー本っぽいコミックって、導入部がワンパターンなんですよねぇ。
なにかに興味ない、やっていない、あるいはバカにしている男の子が、そのなにかをやるはめになって、当然うまくいかなくて落ち込んで、一念発起してそのなにかに嵌っていく...

この「服を着るならこんなふうに (1)」 (単行本コミックス)も見事にこれを踏襲していまして、「服を買いに行く服がない」27歳の主人公が、地元で開かれた小学校の同窓会の打ち合わせで、まわりがおしゃれになっていることに驚き、自分の姿に落ち込み...という出だし。

ま、オープニングはともかく、大事なのは中身ですよね、話の。
ユニクロの(黒の)スキニー(ジーンズ)を推しすぎな気がしないでもないですが、まあ、一つのセオリーですよね。(余談ですが、帯に、ロジック、とありますが、どちらかというとセオリー、ではなかろうかと思うのです、こういう場合は。)
また、ユニクロというと、安いもの、そして安いからよくないもの、というイメージがつきまといがちなところ、そうではなくていいものもあるし、ちゃんとお洒落になる、ということを突くのも狙いなんでしょう。
本文中にも、主人公がユニクロを着ていることを知って
「マジかよ それはないわ いい歳なんだから もっと良いの買えよ」
という登場人物が出てくることも、それを表していますよね。

ドレスとカジュアルのバランス、という指摘がなされていますが、うーん、そういう風に考えたことなかったですが、そういわれて考えてみると、確かにそうかもしれませんね。
意識せずに、なーんとなくそういう風に組み合わせてきたように思いますが、かっちりしすぎない、とか、ラフ過ぎないとかは考えますもんね。
鞄選びのところは、自分でも鞄の選び方は下手だと思っているので、正直参考になりました。結論がクラッチバッグというのはちょっと、あれれと思わないでもなかったですが、そこの至る途中経過に結構ヒントがありました。

ラスト、なにやら不穏な雰囲気を漂わせる終わりかたをしていまして、それはそれで楽しみです。



タグ:縞野やえ

吸血鬼は初恋の味 [日本の作家 赤川次郎]


吸血鬼は初恋の味 (集英社オレンジ文庫)

吸血鬼は初恋の味 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/06/23
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
取引先の社長子息の結婚披露宴に招かれたクロロックとエリカの吸血鬼父娘。ところが華やかな結婚式場は、招待客の突然死で大騒ぎに。そんな中花嫁が出逢った男は、死んだはずの恋人で!? 表題作ほか、無理心中を図ろうとした貧しい母娘を救う『吸血鬼の小さな灯』、謎の声がひきこもりの青年に話しかける『吸血鬼と真夜中の呼び声』の2編を収録した人気シリーズ最新作!

「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ 第34弾。
第32作だった前作「天使と歌う吸血鬼」 (集英社オレンジ文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)から集英社オレンジ文庫となっていて、この「吸血鬼は初恋の味」 はオレンジ文庫第2弾ですね。

表題作は、タイトルの意味がもう一つわかりませんね。
また、本筋にはあまり影響ありませんが、披露宴でのミスとして、料理の出し違いってあり得ないと思うんですよね。同じ式場で同時に行われる披露宴が同じ人数、ということもないでしょうし、設定ではかなり料理のランクが違うことになっていますからさらに無理がありますね。
吸血鬼や怪異現象が普通のように起こるシリーズなのだから、逆にそれ以外の部分はきちんと常識的に組み立てられていて欲しいです。

その他収録の2作も含め、わかりやすい、典型的な勧善懲悪で締めくくられているのが、よくもあり、悪くもあり、というところでしょうか。


<蛇足>
ひだかなみさんが描くイラストのクロロック、ちょっと若すぎませんか?



幻双城事件 仮面の王子と移動密室 [日本の作家 さ行]


幻双城事件 仮面の王子と移動密室 (角川文庫)

幻双城事件 仮面の王子と移動密室 (角川文庫)



<裏表紙あらすじ>
太平洋に浮かぶ離島で催されるあるパーティに招待された高校生・白鷹黒彦。なんでも招待客はみな、島に佇む城に収蔵された美術品の制作者の子息息女だという……。いるはずのない誰か、刻々と変化する城、「幻双城」という“芸術”に埋め尽くされた奇妙な空間で始まる連続殺人の宴。果たしてその目的と意外に犯人とは?――迷える探偵・黒彦と、自称ロボットの美少女果菜、そして世界最高の知性・犬神清秀が遭遇する新たな事件。


「魔神館事件 夏と少女とサツリク風景」 (角川文庫)
「天空高事件 放課後探偵とサツジン連鎖」 (角川文庫)
「露壜村事件 生き神少女とザンサツの夜」 (角川文庫)
に続くシリーズ第4弾です。今のところ、シリーズはここまで。

今回も、奇天烈な本格ミステリが楽しめます。
楽しめますが、さすがこのトリックはなぁ...
タイトルは孤島ミステリっぽいけど、実態は館ものでして、要するにそういう系統の作品です。
こういうトリックの作品、正直飽きちゃいましたね。このトリックを成立させるために、孤島を舞台にしたんでしょうけれど(島じゃないと、こんな建物建てられない)...
あと、とっても大事なことを登場人物が最後で「錯覚していました」というのはねぇ、あきれるというか...

黒彦と果菜の仲が進展(?) したみたいだから、それでよしとしましょう。







化学探偵Mr.キュリー3 [日本の作家 喜多喜久]


化学探偵Mr.キュリー3 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー3 (中公文庫)



<裏表紙あらすじ>
体調不良を引き起こす呪いの藁人形、深夜の研究室に現れる不審なガスマスク男、食べた者が意識を失う魅惑の《毒》鍋。次々起こる事件を、Mr.キュリーこと沖野春彦と庶務課の七瀬舞衣が解き明かす――が、今回沖野の前に、かつて同じ研究室で学び、袂を分かった因縁のライバル・氷上が現れた。彼は舞衣に対し、沖野より早く事件を解決してやると宣言し!?

「化学探偵Mr.キュリー」 (中公文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)、
「化学探偵Mr.キュリー2」 (中公文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら
に続くシリーズ第3弾。
この第3巻には
「化学探偵と呪いの藁人形」
「化学探偵と真夜中の住人」
「化学探偵と化学少年の奮闘」
「化学探偵と見えない毒」
の4話収録。

「化学探偵と呪いの藁人形」は、タイトル通りで、体調を悪くさせる藁人形の謎を解くわけですが、うーん、合理的な解決でいいですね。
シリーズ的には、七瀬舞衣が昔取った杵柄でソフトボールのピッチャーをするのがポイント(?) でしょうか。
いや、それよりも、「クイーン・オブ・オカルティズムと呼ばれているそうですね」(22ページ)と言われちゃっていることの方がポイント高いかも。

「化学探偵と真夜中の住人」は、急に生活態度がかわった大学院生・松尾の話です。
昼間は来ずに、夜中に研究室にやってきて、朝まで一人で実験、そして他の学生やスタッフが来る前に帰ってしまう。あげく彼は実験をガスマスクを着用して行っていた。
折しも北欧にあるマイセン王国の国王陛下が来日し、四宮大学を訪れる計画があり、バイオテロを計画しているのかも...と。
松尾を思う助教・志保里の視点が効果的に使われています。
なにやら大事を感じさせる展開ですが、沖野がさらっと解決してしまいます。それにしても、ラテックス・アレルギーは知りませんでした。そういうのあっても確かにおかしくはないですね。

「化学探偵と化学少年の奮闘」は、癌になった犬を助けたいと奮闘する小学生を描きます。
問題は、その犬が飼われている家の事情。哲学の先生・能勢の家の醜い事情が。いやあ、重い話でした。

「化学探偵と見えない毒」は、あらすじにもある通り、沖野のライバル登場ってことなんですけど、肝心の氷見って、沖野のライバルとは到底言えなさそうな...
一方で、巷でちょいちょい話題になっている悪い大学サークルをめぐるエピソードが盛り込まれています。
事件の方は鍋パーティーで苦しんだ理由は...というものなんですが、これはまあ科学(化学)の素人でも想定できちゃう範囲ですね。妙にぼかした書き方になっていますが、再現性が高いからでしょうか?


シリーズはこのあと、
「化学探偵Mr.キュリー4」 (中公文庫)
「化学探偵Mr.キュリー5」 (中公文庫)
と順調に巻を重ねております。






彼女は一人で歩くのか? [日本の作家 森博嗣]




<裏表紙あらすじ>
ウォーカロン(walk-alone)。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。
研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。
人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。


森博嗣の新シリーズ、Wシリーズの第1作です。
新シリーズとはいっても、本書が刊行されたのは2015年10月で、既に
「魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?」 (講談社タイガ)
「風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?」 (講談社タイガ)
「デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?」 (講談社タイガ)
「私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?」 (講談社タイガ)
とシリーズ第5作まで出ています。
感想もかけずに溜まっているなぁ。

未来が舞台ですが、つらつらと設定が説明されないところがよいですね。
次第、次第に、どういう世界かが明らかになってくる。
研究者であるハギリの一人称で語られますが、未来で暮らすハギリが、現在の私たちに向って背景を説明するのは不自然で興ざめです。
67ページからざっと説明されるところはあるのですが、ハギリが人類の歴史を振り返るちゃんとした理由付けがなされています。さすが。こういうところ、結構重要ですよね。

人工細胞の発達で、肉体を機械ではなく、生きた細胞、生きた機関で補うことが可能となり、人間の寿命が半永久的に長くなった。
一方、自律型のウォーカロンと呼ばれたロボット(機械)が、その人工細胞のおかげで人間に近づいた。
ところが同時に、人口減少に見舞われた。子供が生まれなくなったからだ。人口が四分の一以下になった。寿命はどんどん延びているのに。代わりに(?) ウォーカロンは増えている。
このウォーカロンは「完全に生きている。有機質の細胞を持ち、人間と同じ肉体を持っている。どこにも違いがない。意識もあり、学習もするし、癖もあり、失敗もし、感情も持っている。ただ、その生い立ちが違うだけだ。」(71ページ)

こういう世界でハギリが研究しているのは、自然に考えているか、考えていないかが、測定できる手法(35ページ)。
これで、ウォーカロンなのか、人間なのかが判定できる、と。
で、こういう背景のもとにハギリが狙われて...というストーリーなんですね。

面白いのは、そういう研究をしていても、ハギリが決して、人間とウォーカロンは見分けがつかないといけないと考えているわけでも、人間至上主義でもない、というところでしょう。
「もう完全に区別がつかないことになっても、大した問題はない。」(94ページ)
「自分は、両者を見分ける方法を研究しているが、こんな研究をしなければならないことが、両者の差がいかに微々たるものかを証明しているのだ」(170ページ)

折々事件を挟みながら、思索を重ねていくハギリを読者は追いかけることになるわけですが、このWシリーズでも森博嗣独特のレトリックとか、話の流れが楽しめて、ああ、新シリーズ開始よかったなぁ、と感じました。


ダンジョン飯(4) [コミック]


ダンジョン飯 4巻 (ビームコミックス)

ダンジョン飯 4巻 (ビームコミックス)





第4弾です!
今回は
第22話 地上にて
第23話から第28話までが、順に炎竜(レッドドラゴン)1~6
となっています。

第22話は、いったんライオスたちから離れ、世界の設定を振り返ります。
そして第23話からは、いよいよ、いよいよ、レッドドラゴン!
いやあ、死闘です、死闘。

で死闘の前に食べる料理
第23話がレッツ炎竜にカツレツ
カツレツって、こいつら日本人かよっ!!
第24話には
「あっ、なんだかよくわからない言語で罵られている」
なんてシーンもあり、日本人ではなさそうですけどね(笑)。

倒した後は、ファリンの救出、というか復活ですね。
すごいシーン続出ですよ。

で、またも料理。
第28話 ローストレッドドラゴン、タマネギのピザパン、ドラゴンテールスープ

いやあ、よかった、よかった、なんですが、
ラストには力強く
To Be Continued...
炎竜も倒し、ファリンも救い出したので、さて、どんなふうに展開していくのか楽しみです。




タグ:九井諒子

シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 [日本の作家 か行]


シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 (SKYHIGH文庫)

シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 (SKYHIGH文庫)

  • 作者: 階 知彦
  • 出版社/メーカー: 三交社
  • 発売日: 2016/09/09
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
彼女たちは確実に真実へとたどりつく--
横浜の朝霧学園高校でクラス委員を務める二年の和藤園子は、日曜模試の帰り道に立ち寄ったコンビニで、不思議な美少女・穂泉沙緒子に出会う。僅かな情報だけで園子のことを言い当て、二人の目の前で起きたコンビニ強盗を鮮やかに解決した沙緒子に強い興味を持つ園子。しかし無事に解決したかと思われた強盗事件は、意外な方向へと転がり始め、平凡だった園子の毎日を沙緒子との非日常へと導いていく--。


3月に読んだ本、4冊目です。
SKYHIGH文庫...堂々たるラノベ文庫で、通常だったら手に取らないんですが、「このミステリーがすごい! 2017年版」で千街晶之氏が「今年の本格ミステリー注目作!」として取り上げられていたので購入しました。
読んだ結果は、千街さんありがとうございます。おもしろかったです。

穂泉沙緒子がシャーロック・ホームズで、和藤園子がワトソン。
警察の方は、連城玲人がレストレイドで、暮続壮一がグレッグスンでしょうか。
冒頭イラストつきで紹介されているのは、あとは、喫茶店「真麻」をやっている波戸野真と梓夫婦で、これはハドソン夫人の役回りですね。
このネーミングはちょっとどうかなぁ、と思いましたが、中身は堂々たるミステリで、いいですね。

なによりも、謎解きというか、手掛かりをベースにして推理を組み立てていく部分の比重が高いのがGOOD。
最初、コンビニで偶然遭遇した強盗事件の犯人を捕まえてしまうところで、穂泉の推理力よりも、コンビニの防犯ボールを投げるコントロールの良さに感心してしまいましたが、その後もいろいろな手がかりでじゃんじゃん推理を構築していくのが楽しい。
そして、コンビニ強盗が、次の建設中のビルの事件につながっていく流れも良い感じです。
ただ、建設中のビルの事件の方の動機はいただけないですね。この動機はないなぁ。この辺りは、シリーズを重ねていくにつれて改善されていくといいですね。

最後に、この作品でいいなと思ったのが、ワトソン役の和藤が、単なるぼんくらという設定になっていないこと。穂泉ほどではないにせよ、きちんと推理を立てていくのが心地よかったです。
こういうコンビ、楽しいかも。


<蛇足>
「イギリスといえば紅茶なんだから、コーヒーを飲み慣れていなくても当然よね」(235ページ)
というセリフが出てきますが、これは完全なる誤解と思います。
イギリスに行ってみられればわかりますが、イギリスでは、コーヒーをよく飲みますよ。
コーヒーショップもいたるところにあります。むしろティーショップの方が少ないかもしれません。




栗色のスカーフ: 杉原爽香(43歳の秋) [日本の作家 赤川次郎]


栗色のスカーフ: 杉原爽香(43歳の秋) (光文社文庫)

栗色のスカーフ: 杉原爽香(43歳の秋) (光文社文庫)



<裏表紙あらすじ>
着々と仕事を進める爽香の前にトラブルは絶えない!  都市開発を主導する大企業が抱える複雑な事情。愛人の死体隠蔽に奔走する取引先の男。そして、勤務する“G興産”の社長・田端の心変わり!? 期せずして爽香は苦難の渦に呑み込まれる。一方、夫・明男は、彼に恋する未亡人・大宅栄子と二人きりで会うこととなり……。登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ!


「えんじ色のカーテン: 杉原爽香〈42歳の冬〉」の感想(リンクはこちら)で書きました通りの次第で、「えんじ色のカーテン」の感想をアップし終わったので、いよいよ(?) この「栗色のスカーフ: 杉原爽香(43歳の秋)」 (光文社文庫)の感想です。
ちなみに、この「栗色のスカーフ」 は3月に読んだ3冊目の本。今年12冊目です。


今回の話は、死体を隠そうとする取引先の社員という要素が大きいでしょうか。
実は前作「えんじ色のカーテン」の感想と変わりません。
奇矯な人物てんこ盛りで、びっくり。
もう一度書いておきます。
正直、赤川次郎には、もうすこし普通の人たちの間で巻き起こるドラマを期待したい、と。

それにしても、明男、だめですねぇ。
タイトルにもなっている「栗色のスカーフ」 が不気味ですね。
どうなっていくんでしょう。





化学探偵Mr.キュリー2 [日本の作家 喜多喜久]


化学探偵Mr.キュリー2 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー2 (中公文庫)



<裏表紙あらすじ>
鉄をも溶かす《炎の魔法》、密室に現れる人魂、過酸化水素水を用いた爆破予告、青酸カリによる毒殺、そしてコンプライアンス違反を訴える大学での内部告発など、今日もMr.キュリーこと沖野春彦准教授を頼る事件が盛りだくさん。庶務課の七瀬舞衣に引っ張られ、嫌々解決に乗り出す沖野が化学的に導き出した結論は……!? 大人気シリーズ第二弾。

「化学探偵Mr.キュリー」 (中公文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾。
この第2巻には
「化学探偵と炎の魔術師」
「化学探偵と盗まれた試薬の使途」
「化学探偵と疑惑の記憶」
「化学探偵と幻を見た者たち」
「化学探偵と人魂の正体」
の5話収録。

中では冒頭の、魔術師が炎の柱をたてるのを見たと言ったことで仲間から追いつめられる小学生を救う「化学探偵と炎の魔術師」がさらっとした中に重い物語を抛り込んでまとめ上げているのが好印象。
「化学探偵と盗まれた試薬の使途」はタイトル通りに、盗まれた過酸化水素水の用途を探る話。

「化学探偵と疑惑の記憶」は帯に使われています。
いわく「アーモンドの臭いがしたから青酸カリで殺された!? その推理は、大間違いだ。」
「そもそも、青酸カリは無臭だ」(158ページ)というのが既に、おおっ、ですし、
「シアン化水素はアーモンドの臭いがすると言われるが、ここで言う『アーモンド臭』は、チョコレートや菓子に使われる、ローストアーモンドの臭いではない。収穫前のアーモンドの実や花が放つ匂いのことを指している。香ばしいというより、甘酸っぱいにおいがするらしい」(159ページ)というに至っては、なんだかうっとりしてしまう。そんなことを言われてもどんなにおいなんだかわからないんですけどね。
おばあちゃんを殺してしまったのは自分かもという記憶に囚われているアイドルを救うという話ですが、美間坂剣也が出てくるのがいいですね。もっともっと剣也が引っ掻き回してもいいと思うくらいです。沖野春彦には申し訳ないですが。

「化学探偵と幻を見た者たち」はコンプライアンス違反を告発する怪電話がスタートです。
怪電話の主が迎えるのは、哀しいラストです。

最後の「化学探偵と人魂の正体」は文字通り、人魂を扱うわけですが、平凡といえば平凡ですね。
ただ、占い好きというか、占いに憑かれた登場人物がラストでコミカルな味を出していて、楽しかったです。
この後、沖野や七瀬はどう処理したんでしょうね...

シリーズはこのあと、
「化学探偵Mr.キュリー3」 (中公文庫)
「化学探偵Mr.キュリー4」 (中公文庫)
「化学探偵Mr.キュリー5」 (中公文庫)
と順調に巻を重ねております。

<蛇足>
もはや指摘するのもあれかもしれませんが、
「一生懸命」(11ページ)とか、「少年の将来を鑑みて」(134ページ)とか、なんとかならないんですかねぇ。



C.M.B.森羅博物館の事件目録(23) [コミック 加藤元浩]






この第22巻は、
「4枚目の鏝絵」
「足摺厚焼き卵店」
「Nobody」
「グラウンド」
の4話収録です。

「4枚目の鏝絵」は、左官職人が漆喰なんかの壁に立体的に描いた絵である鏝絵を扱っています。
四方の壁に書かれたはずの鏝絵。4枚目のあった床の間の壁は絵の部分だけが燃え尽きていた。
面白い謎だと思いましたが、鏝絵の正体がミステリ的にはあまりにもありふれていてちょっと残念。

「足摺厚焼き卵店」は、厚焼き卵店での不審な状況を推理する、という話。
ムリヤリな謎ときには苦笑せずにはいられませんが、年末にふさわしい!?
蛇足ですが、ちゃんと「一所懸命」と書かれているので安心できます。

「Nobody」は、象牙の密輸組織が舞台。
通報を受けて駆け付けたが、見つかったのは人形で、死体はなし。
死体はないものの、現場は被害者の血だらけで、さて、殺し屋が殺したか、掃除屋が殺したか。
おもしろい思い付きのトリックだと思いましたが、これはさすがにうまくいかないよなぁ。

最後の「グラウンド」は、野球部が使用するグラウンドを水浸しにしたのは誰か、という話。
これ、無理があるんですけど、なんとなくありそうな話に思えるのは、甲子園の魔力でしょうか? そういう話を一杯今まで読んだり、見たりしてきたからですね。
終わり方が水戸黄門っぽいのもポイントでしょうか。



タグ:加藤元浩 CMB
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