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三本の緑の小壜 [海外の作家 た行]


三本の緑の小壜 (創元推理文庫)

三本の緑の小壜 (創元推理文庫)



<裏表紙あらすじ>
ある日、友人と遊びにいった少女ジャニスは帰ってこなかった――。その後、ジャニスはゴルフ場で全裸死体となって発見される。有力容疑者として町の診療所勤務の若い医師が浮上したものの、崖から転落死。犯行を苦にしての自殺と目されたが、また少女が殺されてしまう。危険を知りながら、なぜ犠牲に? 真犯人への手掛かりは意外にも……。英国本格の名手、待望の本邦初訳作。


久しぶりにディヴァインを読んだ、という感じです。

タイトルの「三本の緑の小壜」 というのは、
「一列に並んだ、三本の緑のガラス壜。あの有名な数え歌のように、一本ずつ落ちて割れていく。」(271ページ)
と書かれているように、童謡(?)からとられているようです。
Ten Green Bottles
でも、ここ、なぜわざわざ「緑のガラス壜」となっているのでしょうね? “glass” という単語が使われているのでしょうか? 不思議。

少女たちが続いて殺されていく作品なわけですが、
「こんなことが殺人の動機になりうるとは思えない」(344ページ)
と書かれている動機がポイントでしょうか。ミッシリング・リンクとして、面白い作品だと思いました。
個人的にはミステリとしては、あり、だと思ったものの、まあ、こんな理由で殺されちゃたまらないですが...

動機はさておくとして、犯人を見抜くのはそんなに難しくはないだろうと思います。
「この人物しかありえないというところまで、われわれは犯人を絞り込んだ。五万人から六人へ、六人からふたりへ、そしてついに最後のひとりへ。」(355ページ)
とロウビンズ警部補が言う場面がありますが、これは言い過ぎというもので、もともと容疑者は六人くらいからスタートしているわけです。
ただ、バラまかれた手がかりと作者の仕掛けたミスディレクションとはかなりいろんなパターンを組み合わせてありまして、贅沢な作りの本格ミステリです。
少々犯人が分かりやすかったとしても、満足できます。

そして、この作品は視点人物が切り替わっていくのですが、切り替わるたびに趣が変わっていくというところもポイント高い。
派手ではないですが、いわゆる“ロマンス”が盛り込まれているのも、時代を反映していい感じで楽しめました。

ディヴァインの作品は、ゆっくりとですが、着実に訳されています。
本書のあとも、
2013年に「跡形なく沈む」 (創元推理文庫)
2015年に「そして医師も死す」 (創元推理文庫)
が訳されています。
今月末に
「紙片は告発する」 (創元推理文庫)
が出版されるようですね。
楽しみです。全部読まなきゃ。

<おまけ>
HP「黄金の羊毛亭」の解説(?)は、いつもながら素晴らしいです。
これ読んじゃうと、感想書くのが悪いことをしているみたいな気分になります...


原題:Three Green Bottles
著者:Dominic Devine (D・M・Devine)
刊行:1972年
訳者:山田蘭





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