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死をもちて赦されん [海外の作家 た行]


死をもちて赦されん (創元推理文庫)

死をもちて赦されん (創元推理文庫)

  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ウィトビアでの歴史的な教会会議(シノド)を前に、アイオナ派の有力な修道院長が殺害された。調査にあたるのはアイオナ派の若き美貌の修道女“キルデアのフィデルマ”。対立するローマ派から選ばれたサクソン人の修道士とともに、事件を調べ始める。フィデルマの名を世に知らしめることになる大事件と、後に良き相棒となるエイダルフとの出会いを描いた、ファン待望の長編第一作遂に登場。


上で引用したあらすじでは、ファン待望の、とありますが、このシリーズ、初めて読みます。
あとがきに書いてありますが、このシリーズの邦訳は5-3-4-1-2という順で訳されたようですね。
シリーズ物はできれば(原書が)出た順に読みたい(シリーズ物でなくても、ある作者の作品は出版順に読みたいと思っていますが)ので、ここまでの邦訳3冊が売れていなかったら、この第1作が訳されることもなかったわけで...こういう翻訳順はちょっと困るなぁというところ。日本では割とこういうこと(出版順に翻訳されないこと)がよくあるんですよね。
でも逆に、第1作を手に取るころには日本で好評を持って受け入れられたことがわかっているということでもあるので、本を選ぶときに安心できるとも言えるんですよね。うーむ。

で、この「死をもちて赦されん」 を読んでどうだった、というと、おもしろかったですね。
シリーズの翻訳順が原書出版順とならなかった理由は、第1作、第2作で色濃いカトリック内部の教義論争が受け入れられにくいと判断されたことと、作品の舞台がアイルランドではないので古代ケルトというシリーズの特色があまり出ていないと判断されたこと、のようです。
いや、こんなの杞憂ですよ。
しっかりとした作品ですし、「死をもちて赦されん」 から訳されても、十分受け入れられ、評価されたと思います。
宗教会議も、おもしろかったですよ。特に、政治状況と結びついているところがよろしい。宗教が宗教のみの事情で決せられない、というよりも、宗教はそもそも政治と分かちがたく結びついていたということでしょう。
ミステリの部分も、クラシックなミステリらしい結構で楽しめました。
これだけ古代の香りが立ち込めている中に、こういう動機を抛り込んでくるなんて、なかなかピーター・トレメインも曲者ですね。

それにしても、人気シリーズとのことですが、主人公であるフィデルマ、嫌な女ではありませんか(笑)?
シリーズ続巻を読んで、フィデルマがどう変わっていくのか、観ていきたいと思いました。

<蛇足>
(1) バリトンに“中髙音”という漢字があててあるのですが(117ページ)、高 ではなく、髙(いわゆる、はしごだか)でした。なぜ?
(2) 「客観的な同情の視線で見守った」(221ページ)というのは、どういう視線なんでしょうね?


原題:Absolution by Murder
作者:Peter Tremayne
刊行:1994年
翻訳:甲斐萬里江


ここにこれまで邦訳されている長編の書影を、ぼく自身の備忘のために順に掲げておきます。
死をもちて赦されん (創元推理文庫)

死をもちて赦されん (創元推理文庫)

  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: 文庫

サクソンの司教冠 (創元推理文庫)

サクソンの司教冠 (創元推理文庫)

  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2012/03/10
  • メディア: 文庫

幼き子らよ、我がもとへ〈上〉 (創元推理文庫)幼き子らよ、我がもとへ〈下〉 (創元推理文庫)幼き子らよ、我がもとへ〈下〉 (創元推理文庫)
  • 作者: ピーター トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/09/28
  • メディア: 文庫

蛇、もっとも禍し上 (創元推理文庫)蛇、もっとも禍し下 (創元推理文庫)蛇、もっとも禍し下 (創元推理文庫)
  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫

蜘蛛の巣 上 (創元推理文庫)蜘蛛の巣 下 (創元推理文庫)蜘蛛の巣 下 (創元推理文庫)
  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2006/10/24
  • メディア: 文庫

翳深き谷 上 (創元推理文庫)翳深き谷 下 (創元推理文庫)翳深き谷 下 (創元推理文庫)
  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/12/21
  • メディア: 文庫


消えた修道士〈上〉 (創元推理文庫)消えた修道士〈下〉 (創元推理文庫)消えた修道士〈下〉 (創元推理文庫)
  • 作者: ピーター・トレメイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/11/21
  • メディア: 文庫




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悪魔と警視庁 [海外の作家 ら行]


悪魔と警視庁 (創元推理文庫)

悪魔と警視庁 (創元推理文庫)

  • 作者: E・C・R・ロラック
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/03/21
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
濃霧に包まれた晩秋のロンドン。帰庁途中のマクドナルド首席警部は、深夜の街路で引ったくりから女性を救った後、車を警視庁に置いて帰宅した。翌日、彼は車の後部座席に、悪魔(メフィストフェレス)の装束をまとった刺殺死体を発見する。捜査に乗り出したマクドナルドは、同夜老オペラ歌手の車に、ナイフと『ファウストの劫罰』の楽譜が残されていたことを掴む。英国本格黄金期の傑作、本邦初訳。

帯に
「クリスティに比肩する英国探偵小説黄金期もう一人の女王」
とあります。
森英俊の解説によると七十一編の長編を書いているそうで、まさに女王と呼ぶにふさわしい作家だったのですね。
ロラックの作品は、「ジョン・ブラウンの死体」 (国書刊行会)を読んだことがあります。ずいぶん前(2002年)に読んだのでよく覚えてはいないのですが、派手なところはないものの、すっきりしたいい作品だったように思っています。

一方この「悪魔と警視庁」は、道具だてというか、見た目が派手です。死体が警部の車の中で発見され、その死体はメフィストフェレスの扮装。
ところがこの魅力的な、ものものしい導入は、さすがロラックというべきか、わりとあっさりと、きわめて現実的な説明が付されてしまいます(ロンドンの霧はどこまで深いんだと少し疑念に思ったりもしますが、ロンドンに限らず深い霧というのは恐ろしく視界を損ねるものなので、まあ本書のような事態もありうるかもしれません)。
290ページほどの、近年の作品と比べると薄いといってしまっていいくらいの長さですが、人の出し入れはかなり行われ、古典ミステリにつきもの(?) の訊問に次ぐ訊問、長々とした証人尋問の羅列といったと違い、てきぱきと進んでいくのは注目すべきところなのだろうと思います。

小粒ながら、なかなかいい雰囲気だと思いましたので、その後訳された
「鐘楼の蝙蝠」 (創元推理文庫)
「曲がり角の死体」 (創元推理文庫)
にも期待します。

それにしても、
「わたしが好意をもったのは、彼が興味深い混合物だったからです。」(160ページ)って、すごい変な日本語ですねぇ。
「ベッドはベッドに可能なかぎり心地よく」(215ページ)というのも強烈です。
訳者の藤村裕美さんは訳書が多数あるベテランだと思うのですが、もうすこし、まともな日本語にならなかったんでしょうか?


原題:The Devil and The C.I.D.
作者:E.C.R. Lorac
刊行:1938年
翻訳:藤村裕美






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スリーピング・ドール [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


スリーピング・ドール〈上〉 (文春文庫)スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)
  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/11/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
他人をコントロールする天才、ダニエル・ペル。カルト集団を率いて一家を惨殺、終身刑を宣告されたその男が、大胆かつ緻密な計画で脱獄に成功した。彼を追うのは、いかなる嘘も見抜く尋問の名手、キャサリン・ダンス。大好評〈リンカーン・ライム〉シリーズからスピンアウト、二人の天才が熱い火花を散らす頭脳戦の幕が開く。 <上巻>
抜群の知能で追っ手を翻弄しながらダニエル・ペルの逃走は続く。彼の行動の謎を解明するため、キャサリン・ダンスはカルト集団の元〈ファミリー〉、そしてクロイトン一家惨殺事件のただ一人の生存者、次女・テレサに接触を試みる――。サスペンスフルな展開の末に訪れる驚愕の終幕まで、ノンストップで駆け抜ける傑作。<下巻>


「このミステリーがすごい! 2009年版」第5位、週刊文春ミステリーベスト10 は第3位です。

リンカーン・ライムシリーズの「ウォッチメイカー」 〈上〉  〈下〉 (文春文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)に登場した尋問とキネシクス(証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し分析する科学)のエキスパート、キャサリン・ダンスが主役をつとめます。
冒頭から、ダンスと敵役であるダニエル・ペルの対決です。
相手の振る舞いや言葉から読み取っていくのがスリリング。「ウォッチメイカー」 〈上〉  〈下〉 でも披露されていましたが、主人公になったことで一層フォーカスされて、くっきりしたみたい。
ずーっとこのまま取り調べだけで全編おしきったらすごいなぁ、とも思いましたが、あらすじで明らかになっているように、ダニエル・ペルは脱獄し、ストーリーが大きく展開していきます。
まさにジェット・コースターノベル。
タイトルにもなっている、一家惨殺事件のただひとりの生き残りの少女がいい感じです。うん、こういうのがいいなぁ。

読んでいる方が麻痺しそうなくらい、ツイストにつぐツイスト。
ダンスを主役に据えた作品として、このあと「ロードサイド・クロス」 〈上〉 〈下〉 (文春文庫)が出ていますが、もっともっとダンスの活躍を読みたいですね。なんなら、丸ごと尋問シーンというのにも挑んでもらいたいくらい。



原題:The Sleeping Doll
作者:Jeffery Deaver
刊行:2007年
翻訳:池田真紀子


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名もなき塀の中の王 [映画]

名もなき塀の中の王 T0020258p.jpg

ずいぶん間が空いてしまいましたが、また映画の感想です。
映画のHPのあらすじは引用するには長すぎたので、いつものシネマ・トゥデイから、チェック欄とあらすじを引用します。

チェック:『パーフェクト・センス』などのデヴィッド・マッケンジーがメガホンを取り、『ベルファスト71』も好評だったジャック・オコンネルが主演を務めたサバイバルドラマ。まだ若く向こう見ずな主人公が、刑務所という過酷な空間で生き抜くために必死に戦い抜く姿を追う。不器用な父親を『アニマル・キングダム』などのベン・メンデルソーンが好演。閉じられた場所で繰り広げられる囚人たちの壮絶なバトルはもとより、最後に宿る希望の光が胸に響く。

ストーリー:あまりにも凶暴な19歳のエリック(ジャック・オコンネル)は要注意人物のらく印を押され、少年院から成人用の刑務所に移送される。独居房に入れられた命知らずの彼は、ほかの囚人たちに見くびられないようひそかに戦闘態勢に入る。そんなエリックにネビル(ベン・メンデルソーン)という男が忠告を与えに来るのだが、何とネビルはエリックが幼いころに生き別れた父親だった。


プリズンものというのでしょうか、“塀の中”を舞台にした映画や小説には名作・傑作がそれなりにあるように思いますが、この作品はどうだったでしょうか?

あらすじにもありますが、“塀の中”に父子関係を持ち込んだことが、新しさでもあり、不思議な感覚をもたらしてくれています。
“塀の中”の常として、暴力は必須項目ですが(主人公エリックも、体を鍛えていますし、武器を手作りし隠し持っています。また常軌を逸すると言えるくらい凶暴なところを見せます)、随所に喧嘩(?)シーンがあります。
とんがっているエリックは、当然、刑務所内の秩序を乱す存在であり、狙われます。シャワールームで、素っ裸のところを狙われたりもします。
また、セラピーで暴力傾向を抑える指導を行うカウンセラーもいます。
監獄内を牛耳っている囚人もいます。
ここに、父子関係が加わります。
それにしても、父親が刑務所内に(同室です)“恋人”がいる、という設定まで加わって、エリックもさぞ複雑でしょう。ただでさえこじれている父親との関係が...

メロドラマっぽくならないところはさすがで、観ていてすっきりなのですが(父子の物語ということで、センチメンタルになったりしてメロドラマっぽくなるといやだなぁと思ったので)、ハードな世界観の中、緊張感が続きます。
ラストも、ここで終わっていいのか、と思うところで終わります。それでいて、この映画はここが終わりなんだな、と納得したりもします。厳しい塀の中では、平穏なラストは似合わないのかもしれません。

ところで、原題の“STARRED UP”というのは、少年刑務所から途中で成人の刑務所に昇格(?) したという意味らしいです。主人公エリックのことですね。
主演のジャック・オコンネル(Jack O'Connell)がかっこよかったので、ほかの作品も観てみようかな、と思いました。


原題:STARRED UP
製作年:2013年
製作国:イギリス

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雲雀 [日本の作家 さ行]


雲雀 (文春文庫)

雲雀 (文春文庫)

  • 作者: 佐藤 亜紀
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
オーストリア軍の兵士、オットーとカールの兄弟は、膠着状態の戦線で、ロシア兵達の虐殺を目撃したことをきっかけにジェルジュと呼ばれる若者に出会う…。第一次大戦の裏舞台で暗躍する、特殊な“感覚”を持つ工作員たちの闘いと青春を描いた連作短篇集。芸術選奨新人賞を受賞した『天使』の姉妹篇。


「天使」 (文春文庫)の姉妹編とありますが、続編という趣ではなく、外伝といった感じでしょうか?
「王国」
「花嫁」
「猟犬」
「雲雀」
4編収録の中編集。
手元の記録を見ると「天使」 を読んだのは2009年12月。ずいぶん久しぶりに姉妹篇を読むことになりました。
それでも、さすが佐藤亜紀、すっと物語世界に入っていけます。

佐藤亜紀の作品は、いつ読んでも荘厳なゴシック建築のような堅牢さを感じます。
それでいて、決して、長大ではない。
文章もそうです。
かなり切りつめられた、むしろ、そっけないといってもいいような、それでいて密度が濃い、というのか、ぎっしり詰まった印象。持ち重りがする文章、とでも言いましょうか。それでいて、リズミカルで、テンポを感じさせてくれます。
プロット、構成、文章、いずれもがきちっとあるべきところにある美しさをたたえています。
いつも、"彫琢”という語を思い出します。
さらっと読み飛ばしてしまっても、流麗なプロットと感性豊かな登場人物と、それはそれなりに楽しめます。
一方、じっくり読みこめば、簡潔な文章と構造から、どんどん拡がっていく世界に浸れます。

読者に不親切、といっては語弊があるでしょうが、最近はやりのなんでもかんでも詳細に述べ尽くしてしまう長い小説から比べると、設定も人物も細かくは書き込まれていません。
あらすじに「特殊な“感覚”を持つ」と書かれている“感覚”自体、説明されるわけではないのです。
異能というか超能力になるんだと思いますが、物語の基本設定ともいえるこのことすら、読者はエピソードなどから読み取って、膨らませていくのです。
これが、スリリングでもあり、楽しくもある。
二十世紀初頭のヨーロッパの戦乱を舞台にした流麗な世界をお楽しみください。

いつかまた、「天使」 「雲雀」 を読み返したいです。できれば続けて。


タグ:佐藤亜紀
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キングスマン [映画]

キングスマン T0020178p.jpg

映画の感想を続けます。
いつものシネマ・トゥデイから、チェック欄とあらすじを引用します。

チェック:『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースを主演に迎え、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取って放つ痛快スパイアクション。世界を股に掛けて秘密裏に活躍するスパイ機関所属の主人公が、最強の敵相手に奮闘する姿が描かれる。『サイダーハウス・ルール』などのマイケル・ケインや、『パルプ・フィクション』などのサミュエル・L・ジャクソンらが共演。エレガントな小道具やウイットに富んだ会話はもとより、切れ味のいい怒とうのアクションに見ほれる。

ストーリー:ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。


古き良きイメージの英国紳士が、凄腕スパイ。
傘や靴といった、英国紳士にふさわしい小道具がスパイ用品と化すのも定番中の定番で、わくわくできます。
うん、いいではありませんか。
余裕のあるスパイ、というのはなんとなく矛盾しているようですが、どこかしら優雅な雰囲気漂う、クラシカルなスパイ映画の趣です。
国家に属さないスパイ集団...なんじゃ、それ!? という設定からして「真面目にふざけている」いい映画でした。いわゆる、ノブレス・オブリージ(noblesse oblige)というやつでしょうか。
ロンドンのサヴィル・ロウに店を構える仕立て屋が、そのスパイ組織の拠点、というのもファンシーです。

「プリティ・ウーマン」も「ニキータ」もわからないけど、「マイ・フェア・レディ」はわかる、とか、犬にJBと名付けた由来が、「ジェームズ・ボンド」でも「ジェイソン・ボーン」でもなく「ジャック・バウアー」だったとか、小ネタにも満足しちゃいました。

どぎつくなりそうな大量殺戮場面も、どぎついことはどぎついものの、さらっと処理されていますし、「威風堂々」(Pomp and Circumstance)が流れるシーンではおもわず不謹慎ながら笑ってしまいました。
ラストのお色気シーン(?) は気が効いているなぁ、と思っただけに、途中でもう少しお色気シーンがあってもよかったのではと、ないものねだりもしてみましたが、全体的に大人の息抜き映画としてとてもいい作品だったなぁ、と思いました。



原題:KINGSMAN:THE SECRET SERVICE
製作年:2014年
製作国:イギリス

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ヴィジット [映画]

ヴィジット T0020246p.jpg

今日11月1日は、1日ということで、映画が1,100円でした。
映画のHP(リンクはこちら)からあらすじを引用します。

人里離れた祖母の家へ
休暇を利用して祖父母の待つペンシルバニア州メイソンビルへと出発した姉弟。
都会の喧騒から離れて、田舎での楽しい1週間を過ごす予定だった
-その時までは。
奇妙な「3つの約束」とは?
優しい祖父と、料理上手な祖母に暖かく迎え入れられ、母親の実家へと到着した2人。
しかし出会えた喜びも束の間、就寝時、完璧な時間を過ごすためと、奇妙な「3つの約束」が伝えられる。
この家は、何かがおかしい
夜9時半を過ぎ、異様な気配で目が覚める2人。
部屋の外から聞こえるただ事ではない物音に恐怖を覚えた彼らは、絶対に開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう。
そこで2人が目にしたものとは--?


このあらすじ、ちょっと違う気がします。

いつものシネマ・トゥデイをみてみると

ストーリー:休暇を過ごすため田舎にある母方の祖父母の家を訪れた姉弟は、優しく穏やかな二人に歓迎されるが、三つの奇妙な約束を伝えられる。楽しい時間を過ごす、好きなものは遠慮なく食べる、そして夜9時半以降は部屋から出てはいけないという内容だった。しかし、夜に変な気配を察知し起きてしまった姉弟は、恐怖のあまり約束を破ってドアを開けてしまい……。


こちらも同じテイストですね。

まずなにより、3つの約束、というのが違和感あり。
祖父母の家に着いて、3つの約束としてまとめて伝えられたわけではなかったと思います。
だいたい、最初の二つ、楽しい時間を過ごす、とか、(孫が)好きなものは食べる、なんて約束ごとではないでしょう。普通ですよ、普通。
三つ目の「夜9時半以降は部屋から出てはいけない」だけは、いかにも、という感じですが、これも夜にドアを開けてしまってから、おじいちゃんから言われたこと、なんですよね、映画のなかでは。

いやいや、とはいえ、あらすじなんか問題じゃないんです。
近年稀に見る、つまらない映画でした。
ここまでつまらない映画は久しぶり? 
映画館を出たときに、まわりにいた(見知らぬ)人たちの会話がおもしろかったです。
おそらくは、この映画を観ようといった人が、ついてきた人に向って言っていたのだろうと思いますが、
「本当にすみません。ここまでダメな映画とは。ほめるところがどこにもない」
いや、本当に。

なにより、アイデアが全然だめですね。
衝撃の結末、とやらも、わかりやす過ぎる伏線(?) で相当早い段階でモロバレで、「まさか××ってオチじゃないよなぁ。それだと映画になんないよなぁ」と思っていた通りの着地。映画になんないアイデアで映画を作ったら、そりゃあ、おもしろくないですよね。
(ちなみに、このアイデア通りのことが起こったら、実際の話の展開はこうはならないですね、絶対に。もっとはやく周りが動き出すはずです)

いまどき「自撮り記録映像」なんて目新しくもないし、「自撮りである」ことがなんの特徴にもなっていません。
幼い姉弟の出すユーモラスな部分も怖いシーンとの対比がうまくいってなくてすべっています。
なにより幼い子供から見た世界、という雰囲気があまりない。大人から見れば普通でも、子どもには異様な世界に見える、というような切り口でもあれば、救われたでしょうに。

あと、個人的に嫌だったのは、夜が主要な時間帯になるので、画面が暗い...
もちろん、闇、というのはとても怖い要素なんですが、主人公たちに何が起こっているのか、観客にもよくわからないようでは、だめなんじゃないかなぁ。目がよくないもので、余計わかりづらかったですねぇ。クライマックスのシーンなんか、ほとんど想像の世界でしたよ(苦笑)。

いや、料金割引の日でよかったです。正規料金とかで観てたら、たまんないなー。



原題:The Visit
製作年:2015年
製作国:アメリカ
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