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世界記憶コンクール [日本の作家 ま行]

世界記憶コンクール (創元推理文庫)

世界記憶コンクール (創元推理文庫)

  • 作者: 三木 笙子
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2012/05/18
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
ある日、萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。見たものを瞬時に覚えられる博一は、養父の勧めもあって募集に応じた。見事採用となり、高い給金を得て記憶力の訓練を受けていたのだが――。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、二人の青年をはじめ明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた、〈帝都探偵絵図〉シリーズ第二弾。表題作を含む五話収録。


「人魚は空に還る」 (創元推理文庫)に続くシリーズ第2弾は、以下の5話収録。
「世界記憶コンクール」
「氷のような女」
「黄金の日々」
「生人形の涙」
「月と竹の物語」
今回も表紙が非常に印象的ですね。
イラストは下村富美さんという方が描いていらっしゃいます。

シリーズ第2弾といいつつ、作品構成は異色(?) です。
心優しき雑誌記者:里見高広と超絶美形の天才絵師:有村礼の二人組の物語というふうにシリーズをとらえると、第1話である表題作「世界記憶コンクール」はその通りなのですが、第2話「氷のような女」は高広の父基博の話、第3話「黄金の日々」は高広・礼ではなく、以前登場した森恵(サトシ)の話。第4話「生人形の涙」と第5話「月と竹の物語」は高広・礼に戻りますが、通常のシリーズなら番外編とでもいう感じの周辺の人たちの物語が2つ挟まれています。
このシリーズはこうやって輪郭を拡げていきながら続いていくのかもしれませんね。
特に、「氷のような女」での基博、いい感じです。

『「赤毛組合」「ボヘミアの醜聞」の真相に触れています』と巻頭に掲げられていますが、「世界記憶コンクール」は裏表紙のあらすじ読んだらそのまんま「赤毛組合」ですもんねぇ。
「ボヘミアの醜聞」の方は、第4話「生人形の涙」です。
下敷きにしたものがあると批判的になる読者もいらっしゃるかもしれませんが、このシリーズはこれでよいのです。なぜなら、礼がホームズ物語のファン、で、ホームズばりの推理を高広に強要する、というのがコンセプトですから。ホームズ物にインスピレーションをもらったような物語が多くてもそれでよいのです。
それに、いずれの話もオリジナルをそのままコピーしているのではなく、物語の溶け込むようにきちんと加工してありますから。
むしろ、この2作の方が、ほかの作品より出来がいいように思います。またその方がミステリ度もアップするみたいです。
その証拠に(?)、「生人形の涙」がこの作品集の中では一番好みです。

解説で大矢博子が登場人物の相関図を掲げているのですが、これがとてもよくできている、というか、わかりやすいです。手元に置いておいて、シリーズを読むときに観るのがいいかも。

シリーズは
「人形遣いの影盗み」 (創元推理文庫)
「怪盗の伴走者」 (ミステリ・フロンティア)
と続いています。
のんびり追いかけることとしましょう。

<蛇足>
「人魚は空に還る」 に出てきた怪盗ロータスが出てこなかった!! 期待してたんですけどね。






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