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愚者たちの棺 [海外の作家 わ行]


愚者たちの棺 (創元推理文庫)

愚者たちの棺 (創元推理文庫)

  • 作者: コリン・ワトスン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/03/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
港町フラックスボローの顔役だったキャロブリート氏のつましい葬儀から七ヶ月後。今度は参列者のひとり、新聞社社主のグウィルが感電死する。真冬に送電鉄塔の下で発見された遺体には不可解な点がいくつもあり、現場近くでは“幽霊”の目撃証言まで飛び出す始末。相次ぐ町の名士の死には関連があるのか。奇妙な謎と伏線の妙…英国本格ミステリの粋が凝縮された巧手の第一長編。


この「愚者たちの棺」 (創元推理文庫)が今年最初に2番目に読んだ本です。
帯に
「奇妙な謎、伏線の妙と意表をつく結末」
と、まるで本格ミステリに期待する三要素、みたいなことが書いてあって、原書の発表年が1958年ですから、名作発掘という感じ?

奇妙な謎、というのは死体の様子ですね。
創元推理文庫名物(?)、表紙扉のあらすじだと「真冬に送電用鉄塔の下で発見された遺体はスリッパ履きで、マシュマロを口に入れたままという不可解な状態だった」とされています。
うん、いい感じですね。

ミステリとしては、伏線の妙、というほどのこともないかな、と感じましたが、要所要所にちりばめてあって、いい感じ。また、意表をつく結末、はそれなりの効果を挙げているのではなかろうかと。定番といえば、定番のトリックなのですが、うまく使っているな、と思えます。

と、田舎町を舞台とした手堅いミステリに仕上がっていますが、全体として、探偵役のバーブライト警部が地味ながら、よさげな感じで、ユーモアもそこはかとなく漂うのがポイントかな、と思いました。
同時に、作者の意地悪な視点が味わえるのも特色かと思います。(蛇足、ですが、原題「Coffin Scarcely Used」も皮肉が効いていると思います)
この意地悪さが、シリーズを通してどう展開していくのか、注目していきたいです。



原題:Coffin Scarcely Used
著者:Colin Watson
刊行:1958年
訳者:直良和美





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検死審問ふたたび [海外の作家 わ行]

検死審問ふたたび (創元推理文庫)

検死審問ふたたび (創元推理文庫)

  • 作者: パーシヴァル ワイルド
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/03/20
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
リー・スローカム検死官が、ふたたび検死審問をおこなうことになった。今回の案件は、火事に巻きこまれて焼死したとおぼしき作家ティンズリー氏の一件。念願の陪審長に抜擢され、大いに張り切るうるさがたのイングリス氏は、活発に意見を述べ、審問記録に注釈を加え、さらには実地検分に出かける気合いの入れよう。はたして、いかなる評決が下るのか。傑作『検死審問』の続編登場。

「検死審問―インクエスト」 (創元推理文庫)に続いて翻訳されたパーシヴァル・ワイルドのミステリです。原書の刊行が1942年。2009年に翻訳されたのが初訳だというのですから、まさに幻の名作だったわけですね。
前作「検死審問―インクエスト」 は、検死審問における証言と、陪審員たちのやりとりだけという非常に凝った構成の作品でしたが、この「検死審問ふたたび」 は、さらに凝っています。記録に対して検死陪審長をつとめるイングリスの注釈がつくという枠組みです。
前作もそうでしたが、検死官であるスローカム閣下は、自らに裁量があるのをいいことに、審問を長引かせれば日当が増えると、やりたい放題。手当のほしい陪審たちもそれに乗る、というなんとものんびりした法廷ミステリ(?)です。
陪審長のイングリスは、「検死審問―インクエスト」 にも登場したのですが、そんなスローカム閣下に反発し、一人奮闘(?)する、まあ、言ってみれば「困ったちゃん」で、あまりにも独りよがりな注釈がとってもおかしい。かなり鬱陶しかったりもするので、おおらかな気持ちで読む必要がありますが...
作品全体として、そんな注釈すらもプロットに織り込まれているところが、やはりすばらしい。単なる笑いのネタではないのです。
現在にも十分通用する優れたミステリだと思います。


おまけに前作の書影もはっておきます。
検死審問―インクエスト (創元推理文庫)

検死審問―インクエスト (創元推理文庫)

  • 作者: パーシヴァル ワイルド
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 文庫


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