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スリーピング・ドール [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


スリーピング・ドール〈上〉 (文春文庫)スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)
  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/11/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
他人をコントロールする天才、ダニエル・ペル。カルト集団を率いて一家を惨殺、終身刑を宣告されたその男が、大胆かつ緻密な計画で脱獄に成功した。彼を追うのは、いかなる嘘も見抜く尋問の名手、キャサリン・ダンス。大好評〈リンカーン・ライム〉シリーズからスピンアウト、二人の天才が熱い火花を散らす頭脳戦の幕が開く。 <上巻>
抜群の知能で追っ手を翻弄しながらダニエル・ペルの逃走は続く。彼の行動の謎を解明するため、キャサリン・ダンスはカルト集団の元〈ファミリー〉、そしてクロイトン一家惨殺事件のただ一人の生存者、次女・テレサに接触を試みる――。サスペンスフルな展開の末に訪れる驚愕の終幕まで、ノンストップで駆け抜ける傑作。<下巻>


「このミステリーがすごい! 2009年版」第5位、週刊文春ミステリーベスト10 は第3位です。

リンカーン・ライムシリーズの「ウォッチメイカー」 〈上〉  〈下〉 (文春文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)に登場した尋問とキネシクス(証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し分析する科学)のエキスパート、キャサリン・ダンスが主役をつとめます。
冒頭から、ダンスと敵役であるダニエル・ペルの対決です。
相手の振る舞いや言葉から読み取っていくのがスリリング。「ウォッチメイカー」 〈上〉  〈下〉 でも披露されていましたが、主人公になったことで一層フォーカスされて、くっきりしたみたい。
ずーっとこのまま取り調べだけで全編おしきったらすごいなぁ、とも思いましたが、あらすじで明らかになっているように、ダニエル・ペルは脱獄し、ストーリーが大きく展開していきます。
まさにジェット・コースターノベル。
タイトルにもなっている、一家惨殺事件のただひとりの生き残りの少女がいい感じです。うん、こういうのがいいなぁ。

読んでいる方が麻痺しそうなくらい、ツイストにつぐツイスト。
ダンスを主役に据えた作品として、このあと「ロードサイド・クロス」 〈上〉 〈下〉 (文春文庫)が出ていますが、もっともっとダンスの活躍を読みたいですね。なんなら、丸ごと尋問シーンというのにも挑んでもらいたいくらい。



原題:The Sleeping Doll
作者:Jeffery Deaver
刊行:2007年
翻訳:池田真紀子


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ウォッチメイカー [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)
  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/11/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を10個買っていることが判明、被害者候補はあと8人いる――尋問の天才ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。2007年度のミステリ各賞を総なめにしたシリーズ第7弾。 <上巻>
サックスは別の事件を抱えていた。公認会計士が自殺に擬装して殺された事件には、NY市警の腐敗警官が関わっているらしい。捜査を続けるサックスの身に危険が迫る。二つの事件はどう交差しているのか!? どんでん返しに次ぐどんでん返し。あまりに緻密な犯罪計画で、読者を驚愕の淵に叩き込んだ傑作ミステリ。<下巻>

「このミステリーがすごい! 2008年版」第1位、かつ、週刊文春ミステリーベスト10 第1位。
これだけでは足りないかのように、日本冒険小説協会大賞〈海外部門〉も獲っています。
シリーズ第7作にして、引き続き、ずっとずっと絶好調です。
今回は、複数の事件が同時に展開します。
上に引用したあらすじでは、ストーリー展開がわかりにくいなぁ、と思っても、ツイストに次ぐツイストで、目まぐるしく展開するので、あらすじにまとめるのは至難の業です。
今回の敵も強敵です。
「十八世紀に時計をメタファーに使った哲学運動が起きた。神は宇宙のムーブメントを創り、ぜんまいを巻いて、時間が流れるようにしたというんだ。神は“偉大なる時計師(グレート・ウォッチメイカー)”と呼ばれた。信じられない話かもしれないが、この思想を信奉したものは大勢いた。おかげで時計師は聖職者に似た地位を得た」(P418)
というせりふがありますが、ウォッチメイカーという敵は、いってみれば「神」にもなぞらえられる存在なので、そりゃあ、強敵です。

勝手に考えたこの作品のポイントは2つ。
一つは、サックスの父親の事件とでも呼ぶべきエピソードが入っていること。これ、シリーズ読者には大変な事件です。だって、それをきっかけにサックスが警察を辞める、と言い出すのですから。
もう一つは、この作品から出てくる新キャラ、キャサリン・ダンス。彼女は、カリフォルニア州捜査局の尋問とキネシクスのエキスパート。キネシクスとは、証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し分析する科学、とのことです。これがおもしろい! なにしろ、ライムは鑑識の専門家、すなわち、物的証拠の権化ともいうべき存在で、いってみれば、ライムとダンスは相反する価値観(?) を象徴するもの、ともいえるからです。このふたりが協力関係を築きあげ、ともに闘う様子は、なかなかスリリングで(捜査内容もスリリングですが)、わくわくできます。

複数の事件が、どう収斂するのか、あるいは収斂しないのか。果たしてウォッチメイカーをどうやって追いつめるのか、ディーヴァーの力技を十分堪能しました。

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12番目のカード [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


12番目のカード〈上〉 (文春文庫)12番目のカード〈下〉 (文春文庫)12番目のカード〈下〉 (文春文庫)
  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが、博物館で何者かに襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。現場にはレイプのための道具に、1枚のタロットカードが残されていた……。単純な強姦未遂事件と思い捜査を始めたライムとサックスだったが、その後も執拗に少女を付け狙う犯人に、何か別の動機があることに気づく。 <上巻>
強姦未遂事件は、米国憲法成立の根底を揺るがす140年前の陰謀に結びついていた。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ……。“140年もの”の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使して解明することができるのか? 新鮮かつ強烈な刺激満載の好評シリーズ第6弾! <下巻>

すっかり更新をさぼってしまいました。2月に読んだ分の感想もまだ終わらない...
さておき、
「このミステリーがすごい! 2007年版」第6位、2006年週刊文春ミステリーベスト10 第4位です。
強姦未遂事件を発端に、広がりを見せる事件を描いています。
動機をめぐる捜査、ということで、あまり科学捜査の醍醐味という感じではありません。このあたりは前作「魔術師 (イリュージョニスト)」 〈上〉 〈下〉 (文春文庫)から続いている傾向ですね。
どんでん返しに強いこだわりを持つディーヴァーだけあって、かなりツイストが効いているのですが、この作品にはちょっとあれれ?と感じる部分がありました。ミステリとしてのひねりを超えて、単に読者を驚かせるためだけの、ひっかけのためのひっかけ、のように思える部分があります。怪しげな人物やエピソードを、必要以上にまき散らして、真相をわかりにくくする、というのはミステリでは常套手段ではありますが、ディーヴァーらしいスマートさに欠ける仕上がりのように思いました。
とはいえ、ぼくが不必要だと感じたエピソードも含めて、動機に関しては巧妙に組み立てられていまして、ジェニーヴァの成長物語にもマッチして、さすが、です。
140年前と現在をどうつなぐのか、もミステリとしては注目点だと思いますが、こちらも(当然のことながら)動機に密接に関係して、緊密なプロットになっています。(もっとも、140年もの時間が実際にどのような作用を及ぼすのか、若干不安が残ります。作中ではきわめてあっさりと説明されていますが、本当かなぁ、とちょっと懸念します)
動機をキーポイントとして、ディーヴァーお得意のツイストで事件の様相が、くるくると変わっていくのは、まさにミステリを読む醍醐味で、たっぷり堪能できました。
どんどん続いているシリーズの今後が、とても楽しみです。

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獣たちの庭園 [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


獣たちの庭園 (文春文庫)

獣たちの庭園 (文春文庫)

  • 作者: ジェフリー・ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/09/02
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
1936年、オリンピック開催に沸くベルリン。アメリカ選手団に混じって、ナチス高官暗殺の使命を帯びた一人の殺し屋がニューヨークから潜入するが、現地工作員と落ち合う際に誤って人を殺し、警察に追われる身となる。暗殺を果たし、無事に国外逃亡できるか…。「どんでん返し職人」ディーヴァーが初めて挑んだ歴史サスペンス。

ジェフリー・ディーヴァーのノン・シリーズ作品です。
2005年の週刊文春ミステリーベスト10 と「このミステリーがすごい! (2006年版)」の第5位です。
舞台は、ナチスが勢力を拡大していたころのドイツ。
いくらなんでも暗殺の使命があってドイツに入国しておいて、つかまってしまっては何にもならないので、ドイツで人を殺したりしないだろう(一度ならずも...)、とは思うのですが、スピーディーな展開で、主人公ポールを追いこんでいくので、なんとなくポールと一緒に危機を乗り越えていく気になります。この作品では、殺し屋であるポールが「いいやつ」なのも、大きなポイントだと思います。
一方で視点を変えて、殺人事件を捜査するドイツ側の刑事のストーリーも展開されて、ポールを追いつめていく(?)過程がスリリングです。
もうひとつ、ナチス高官たちの、ヒトラーに気に入られるための、というか、ヒトラーに厭われないための駆け引きも描かれ、重層的に物語が進んでいきます。
ラストのほうで、畳み掛けるようにどんでん返しが用意されているのですが、ディーヴァーにしては控えめというか、おとなしめなので、予想の範囲と思われる人もいらっしゃるでしょう。でも、それが一層ポールを窮地に追いやる仕掛けとなっているので、ほんと、もう、ディーヴァーの術中にはまるというか、はらはら、どきどき。
苦難の道を歩むポールに会えてよかったな、とそう思った作品でした。

タイトルの「獣たちの庭園」(Garden of Beasts) ですが、これは舞台にもなっているベルリンの中央公園、ティーアガルテン(Tiergarten) を英語に直したものであると同時に、ナチスが席巻しているドイツをもあらわしているのだと思います。普通に訳すと、「動物園」になろうかと思うのですが、ひねってあって、ぴったりですね。

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青い虚空 [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


青い虚空 (文春文庫)

青い虚空 (文春文庫)

  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
護身術のHPを主宰するシリコン・ヴァレーの有名女性が惨殺死体で発見された。警察は周辺捜査からハッカーの犯行と断定。コンピュータ犯罪課のアンダーソン刑事は容疑者特定のため服役中の天才ハッカー、ジレットに協力を要請する――ゲーム感覚で難攻不落の対象のみを狙う連続殺人犯は何者か? 息詰まるハッカー同士の一騎打ち!

ジェフリー・ディーヴァーといえば、「ボーン・コレクター」〈上〉〈下〉 (文春文庫)ではじまるリンカーン・ライム・シリーズですが、この作品はノン・シリーズ。単発ものです。
題材は、サイバー・スペース。ネット、ですね。
ヴァーチャルな世界と現実の世界をつなぐ犯罪というのが面白かったです。
ソーシャル・エンジニアリング、というのも、ホントにあるのかどうか知りませんが、とっても興味深い。
ハッカー同士の対決(ハッカーとクラッカーの対決でしょうか??)で、はらはらできます。
ディーヴァーらしく、どんでん返しもふんだんに。
第一部である「Ⅰ 魔法使い」のラストでまずびっくり。あら、そう来ますか、ディーヴァーさん。
いや、この程度で驚いていてはいかんのですが、すっかり作者の術中に。
いかにもアメリカ的な (ハリウッド的な?) ストーリーで、ぐいぐいと吸引力抜群。
本当に、ディーヴァーは、サービス精神旺盛ですね。シリアル・キラーものとして、ちょっとした小ネタ程度ではあるものの、アイデアも盛り込まれています。
帯にも書いてありますが、まさにジェットコースター・サスペンス。
コンピュータの世界はまさに日進月歩ですし、専門の方から見たらおかしなところもありそうですが(正直、ぼくには、おかしなところがあるのかないのかさえわかりません)、本当か嘘かわからないほら話に圧倒されるのも読書の楽しみのひとつ。浸って楽しみました。
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魔術師 [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫) 魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫) 魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫)
  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が。しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた……。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。 <上巻>
超一流イリュージョニストの“魔術師”は早変わり、脱出劇などの手法を駆使して、次々と恐ろしい殺人を重ねていく。ライムたちは、ついに犯人の本名を突き止めるが、ショーの新たな演目はすでに幕を開けていた――「これまでの作品のなかで最高の“どんでん返し度”を誇る」と著者が豪語する、傑作ミステリ!<下巻>


「ボーン・コレクター〈上〉」
「ボーン・コレクター〈下〉」 (文春文庫)
「コフィン・ダンサー〈上〉」
「コフィン・ダンサー〈下〉」 (文春文庫)
「エンプティー・チェア〈上〉」
「エンプティー・チェア〈下〉」 (文春文庫)
「石の猿〈上〉」
「石の猿〈下〉」 (文春文庫)
に続く、リンカーン・ライムシリーズの第6弾。
各種ベスト10の常連シリーズなので、ご存知の方も多いと思います。
この作品も、「このミステリーがすごい!2005年版」 第2位、2004年週刊文春ミステリーベスト10 第3位です。
このあともシリーズは快調に書きつがれています--積読ですが...
さすがディーヴァーという感じで、ぐいぐい読ませてくれます。おもしろい。ページターナー、ジェットコースター・ノベルという呼び方がぴったりです。
今度の敵は、タイトルにもなった魔術師。「マジシャン」ではなく「イリュージョニスト」とフリガナが振られています。原題は"The Vanished Man" ですから、日本でつけたタイトルですね。直訳よりずっといいと思います。
で、タイトルどおり、騙すのが本職の人が敵(犯人)として登場するわけで、激しい攻防が繰り広げられます。
どんでん返しに次ぐどんでん返しで、右と思えば左、上と思えば下。あまりに相次ぐので、最後のほうではどんでん返しがあっても、驚かなくなってしまうほど!?
シリーズの中では、鑑識が果たす役割の比重が軽くなっていますが、長く続くシリーズなのでバリエーションをつけてみたということかと思います。
犯人とリンカーン・チームの駆け引きぶりは、シリーズでも上位に来る迫力ですので、作者の腕の冴えにどっぷり浸って、楽しい時間をすごせました。

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