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伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ [日本の作家 さ行]

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥(うとう)神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる"瞬間移動"殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く"堂"シリーズ第四弾。


堂シリーズの第四作です。
今回も奇矯な登場人物に、奇矯な建物です。
館ミステリにつきものの図面(と数学的なものを説明する図面)が今回もふんだんに盛り込まれています。

数学をめぐる蘊蓄は、例によってちんぷんかんぷんで正直うるさいくらいです。
副題につけてあるBanach-Tarski Paradox、まったくわけがわかりません。
中身のつまった球体Kが「ひとつ」ある。この球を、適当に有限個に分割し、再び寄せ集めることによって、球体Kを「二つ」つくることができる(44ページ)、「バナッハ-タルスキのパラドックス」として紹介されていますが、どういうこと!? さっぱりです。
ミステリ的には...今回のトリックは、またまたすごいですよ(笑)。
182ページになってようやく死体登場というストーリー展開になっているのですが、その状態がたとえられているのが、百舌のはやにえ。
マイクスタンドに、身体を無残に貫かれたそれら(182ページ)と書かれています。
ひゃーっ、と叫びたくなる残酷なシーンなんですが、こういう死体のシーンだと思い出すのが、谺健二の「未明の悪夢」 (光文社文庫)
「未明の悪夢」もある意味奇想にあふれた作品でしたが、そのおかげでこの「伽藍堂の殺人」のトリック(の一部)にうっすらとですが見当がついてしまったんですよね。
そんなうまくいくかな? と思えるトリックではありますが、ミステリ的には、あり、でしょう。

前作「五覚堂の殺人」 (講談社文庫)(感想ページへのリンクはこちら)の感想で、「あからさまな手がかりがちりばめられていて、作者の仕掛けをたどっていく楽しみがあふれている」と書きましたが、ちょっと今回はバランスが悪かったかな、と思いました。
驚天動地の大技トリックを惜しげもなく投入したぜいたくな作品なのですが、それがかえって無理を際立たせてしまったかな、と。

しかし、このシリーズがどこに向かっていくのか、興味あります!


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